箱根 やまぼうし

箱根の芦ノ湖の近くに女優・ライフコーディネーターの浜美枝さんのご自宅があります。こちらの家は40年前に浜さんが東北で出会った12軒の古民家の柱、梁、建具などを再利用して建てられています。丁寧に復元された合掌造りの家は建てられた当時から古き良きものが持つ豊かさと経年した美しさにあふれていました。
浜さんの4人のお子さんたちはこの家で本物に触れながら育ちました。お子さんたちが独立したのち、家は手仕事の美しさを伝えるギャラリーとしてお仕事をしております。またこのたびご長女のRenaさんと末っ子のShinさんとで離れのスペースでイギリスのアンティークショップをオープンすることになりました。
ハウス オブ ポタリーもショップの立ち上げのお手伝いをさせていただくことになり既存の建物の外にお客様が雨風をしのぐための風除け室としてコンサーバトリィを作りました。
尚、Renaさんのアンティークショップは現在不定期にオープンをしておりますのでご来店の際はやまぼうしのホームページにてご確認くださいませ。



       
 やまぼうしの入口。
標高750mの山の上なので
植物の種類も
鎌倉山とはだいぶ異なります。
豊かな木々に囲まれているせいか
空気も濃厚です。
 ヒメシャラの木の奥が
ショップの入口になります。
 ウッドの階段を上ると
10畳ほどのデッキになっています。
 既存のデッキの上に
コンサーバトリィを
作ることになりました。
       
 母屋に根太掛けをします。
古民家の梁や柱が太く変形しているので
下地作りに時間がかかりました。
壁の下地ができると何となく
大きさがわかり
楽しみが増してきました。
 屋根がかかり雨が降っても作業が
できるようになりました。
梅雨の真っただ中の上、
山のお天気は変わりやすいので
現場作業中は本当に雨がよく降りました。
 コンサーバトリィに合わせて
白い陳列棚も
製作設置しました。
窓の外は100%緑が見えます。


       
 ショップオープンの2日前に
ようやく完成しました!
 軽量にするため窓もガラスでなく
ポリカーボネイトをいれました。
 網戸を開けるとイギリスの
ブラックアイアンの
金具が見えます。
 ショップの内部から入口を見たところです。
2坪弱のコンサーバトリィがついて
入口部分が明るくなりました。
       
 オークのアンティーク家具に合う繊細で
お洒落なアンティークを
扱うお店になりました。
 店主のRenaさん。
店名のFloral(フローラル)という
名前のような方です。
 お客様が座ってお靴を履けるようにと
コーナーに椅子も配置しました。
 早速Renaさんのお母様に
座っていただきました。
いつお会いしても華やかな浜美枝さんです。


Renaさんからショップエントランスの改修工事のお話しをいただきやまぼうしを訪ねたとき既存の家の圧倒的な存在感と大きさにどのような形のものを付けるかちょっと考えました。
何よりもハウス オブ ポタリーでいつも作っているような繊細な甘い雰囲気のコンサーバトリィでは家とちぐはぐになると感じました。既存の家に後付しても以前からついていたような雰囲気を持つシンプルでしっかりしたものを作ることにしました。結果は大成功。やまぼうしの一員として最初から建物になじんだ風除け室が完成しました。

楽しいお仕事をさせていただき感謝してます。

2012年7月  荻野洋子


やまぼうしURL: http://www.mies-living.jp/yamaboushi.html